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| 樹冠の移動者−猿類
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金色の毛皮で産まれ、やがて銀色の毛皮に生まれ変わる。 尖った頭の毛がシルエットとして映し出す。 |
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<<ボルネオ>>
シルバーリーフモンキーは憧れの猿だった。いつも目にしていたのは彼らのシルエット、ツンと尖った頭の毛。ガイドや現地の人から、銀色の親が金色の子供を抱えていると聞かされていた。しかし、いつも高い木の上にいて、人間を恐がるため、現地の人もあまり近くで見たことがないとも聞かされていた。運が良いと銀色の大人の姿は目にできた。細身で愛らしい顔つきは、他の猿とはまた違う感慨があった。そして、子供を連れた姿を見る日を夢に見続けていた。
2回目にバコ国立公園に行ったときのことだ。宿泊しているキャビンから公園事務所に行く途中の木の上に猿の姿が見えた。宿泊施設の周りにはいつもカニクイザルがうろつき、稀にテングザルもやってくる。雰囲気からカニクイザルだろうと思いつつ近寄ると、違っていた。思わず”お前は誰だ?”と聞いてしまう。答えるわけはない。私の中ではシルバーリーフモンキーがこんなに近くで見られると思っていなかったので、なかなか信じられない思いでいた。通りかかったスタッフにシルバーリーフモンキーと言われようやく我に返った。
なんと子供までいる。親はいくらか警戒しているようだが、子供は私やカメラに興味があるようだ。子供は親から少し離れ、私やレンズを覗き込むしぐさをする。あまり離れると親は子供を引き戻す。そして、避けるように上へと登っていってしまう。仕方なく、私も木から離れて見ている。
感激しながら見入っている私の横を他の旅行者はただ通り過ぎていく。ビーチを楽しむ旅行者も多いこの場所では、シルバーリーフモンキーを気にする人は滅多にいないようだ。しかし、それも好都合だった。大勢が寄って騒げば、居心地の悪い場所と烙印を押され、二度と戻ってこないかもしれないのだから。
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